河瀬直美監督の新作「2つ目の窓」を見に行った。
舞台は奄美大島。
16歳の少年と少女とその家族が出てくる。
少女の母は神様と人間をつなぐユタで、病気になり、死を迎えようとしている。
少年の母は離婚し、東京から奄美にきて、男と次々関係をもっている。
もともと河瀬監督の作品はそのテーマが多いかも。
死と再生と性。海と満月。
そもそも監督は12年前にあなたは奄美に行くことになると言われる。
その後、自分のルーツが奄美であることを知るわけで、彼女の作品は実に私的なものが最初から多いのだが、ルーツである場所で死をみつめる。
台風の大波の海、穏やかな海、ガジュマルの大樹、風にゆれる木々の音。
ヤギを殺す場面がいろいろ意見もあるようだけど、そのシーンを二人の少女と少年が立ち会う場面がとても印象的だった。
少年は海に入らない。
少女は服を着たまま海をもぐる。
少年は「海には何かがいる」(冒頭のシーンで死体をみたことにつながっている)
という。「海は生き物みたいでこわい」と。
すると少女は「私も生き物ですけど・・」という。
自然が生きていることを感じながら、こわいと思っているのだ。
それが少年の中の内的な動き−性に対する動きと重なっているところがまた自分の中にある自然と向き合いたくないところを思わせる。
若いってこんな感じかしら?と16歳から遠く離れた身としては忘れかけてた(笑)
それぞれに感じることができる作品かなと思う。
音楽もよかったな。