Around the garden

フラワーエッセンスプラクティショナーによる植物や自然と過ごす日常とエッセイ

山岸涼子展@京都国際マンガミュージアム

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以前、東京の弥生美術館で開催されていた山岸涼子展に行くつもりが

風邪をひいて体調を崩してしまったために行くことができず断念したのだが、

今回、京都で見ることができた。

 

漫画家の山岸涼子先生の原画を中心とした展示だけど

前期、中期、後期とわかれてそれぞれに展示の原画は違うらしい。

私が訪れたのは後期の初日だった。

 

こんな目的でもなければなかなかマンガミュージアムに足を運ぶことはなかったかも。

国際とつけられているからか

さすがに外人の姿が多い。中国系の方も。

しかし、マンガはすべて日本語のマンガしかなかったように思うから

あまりマンガは読めないかな。

入場料は大人800円。

それで山岸涼子展も見られる。

今回、ここで見られてよかったと思ったのは

山岸先生の原画を見たら、マンガが当然読みたくなるけど

一階に山岸先生の全作品を置いてあるコーナーをつくってあって

読み放題なところ!!

これは弥生美術館ではできなかったでしょうね。

読むための椅子スペースもあるので

がっつり読める。

 

マンガを読むのを目当てできている人が多いせいか

山岸涼子展のほうはほとんど人がいなくて、

これまたゆっくり見られたのもよかった。

山岸先生はりぼんで漫画を描いていたそうだけど

私は子供の頃、りぼんを買っていたのにもかかわらず

読んでなかったのは年号をみて、ちょっとだけ前の年代だったから

読めなかったみたい。

 

しかし、今まで漫画家さんの原画は何回か見たことあるけど

ほんとにものすごく丁寧で美しい。

紙に印刷されるとやはりその美しさはちゃんと出てなくて

しかもバーっと一気読みしてすぐ読み終わる。

そんな意味では漫画家という仕事は絵に込められる時間とエネルギー

をちゃんと見てもらいにくいかもしれない。

 

展示の脇には山岸先生のコメントもついていて

そのコメントもとても面白い。

丸顔の絵を最初、まわりにあわせて描いていたけど

それは自分の絵ではないので途中で今のような感じの顔になって

ずいぶんひどく言われたみたいだ。

確かに私は最初、山岸先生の漫画をみたとき

絵が少女漫画らしからぬ感じでうまいのかへたなのかよくわからなかった。

 

しかし、彼女にしかぜったいに描けない絵がたくさんある。

こんな構図をよく思いつくなという絵もある。

彼女の作品は人に衝撃を与えるし、いろいろなことを考えさせる。

 

ちなみに会場で売られている山岸グッズは

ミュシャ風の素敵な絵(原画はもっと美しかった!)のクリアーファイル

と厩戸の王子のポストカード3種類くらいかな。

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王子のクリアーファイルがあればよかったのになー。

 

展示を見た後、昔の小学校を利用したこのミュージアムの見学と

気になる漫画を探して読んだりしてた。

お目当ての「キャンディキャンディ」「タンポポ砦に集まれ」はなかった・・。

すでに誰かが読んでるのかもしれないけど。

あいうえお順で作家ごとに並べられていて、

けっこう私が子供の頃に読んでたような作家さんが多いので

うちの本棚を見ているよう(笑)

 

階段部分にアンティーク感が出てる。

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暑いので、とくに他に京都観光しようという気もなく

バスの時間まで十分あるので

(開館とともに入ったので)

ガッツリ漫画を読む体制。

 

山岸先生の本はある程度持ってるけど

持ってないものから順に読む。

「イシス」読んでみたかったのだ。

しかし、これまで持ってたイシス像が崩れるかのような

イシスのお話。凄すぎる。

もしかしたらこのイシスのほうが近いのかもと思わせるような。

 

で、「ダヴィンチ」連載時に毎回欠かさず立ち読みして読んだ

テレプシコーラ」を読む。

文庫本でけっこう出ているんだなー。

後でみたらこの作品10年も連載されていたとか。

全然そんな感じしないけどね。

またこれだけ買いたいわ。

一部で10巻くらいあって、二部が4巻くらい?

とにかくこの作品は随分衝撃的だったけど、

あらためて読むと一部の重さがすごい。

しかし、読まずにはいられない。

主人公が天真爛漫な少女なのが明るさを保っているけど

少女たちの世界がギリギリすぎるのだ。

途中泣きながら読んでた。

誰もが泣くだろうという場面がある。

 

実は私は子供の頃に一番最初になりたいと思ったのはバレリーナだった(^-^;

山岸先生が「アラベスク」を描いたときは

すでにバレエブームは終わってたと書かれてあったから

私は何をみてバレエにあこがれていたのかは思い出せない。

バレエブームは私が子供のときよりちょっとだけ前になるから。

でも何かを読んだんだと思う。

幼稚園くらいのとき。

毎日飛んだり跳ねたり、アラベスクの練習したり(笑)

当時はバレエという習い事はお金がかかるから

習いにいくことはなかった。

しかし、行ってたらもうちょっと体違ったかもね。

 

会場内には年代順の漫画を紹介しているコーナーもあり、

「うしろの百太郎」とかもあった。(夢に出そうだから読めない・・)

山岸先生も恐怖漫画っぽいものがいくつかあり、

「わたしの人形はよい人形」を読んだときに

押入れのふすまが数センチ開いているという現象が当時異様にこわかった(笑)

うちの押入れの締め方が甘くて、たまにちょっとだけ開いてしまうときがあって

ぎょっとしたり・・(笑)

でも、恐怖ものの漫画は以前書いていたけど、ずいぶん山岸先生は

こわい思いを何度もする心霊体験をしているので、

もう描かないことにしたとどこかに描いてあるのを読んだことがあったな。

だいぶアストラル強そうな方なんじゃないかな。

 

だからこそ神がかり的な人物を描くのがうまいのだろう。

きっと山岸先生も神がかって描かれていそう。

「レベレーション」なんかそんな感じ。

 

山岸涼子展は9/3までやっているので

蒸し暑い京都で漫画三昧するために行くのもいいかも。