Around the garden

フラワーエッセンスプラクティショナーによる植物や自然と過ごす日常とエッセイ

【映画】八日目の蝉

テレビで放送されたものを録画したまま、見てなくてやっとみた。

しかも、これ、劇場とかDVDで見てないどころか、原作も読んでないし、テレビドラマのほうもみてないので、何の前情報も知らないまま見た。


いやーすごくよかった!!


少し前にツタヤで「ツリー・オブ・ライフ」を借りて見たのだけれど、これは期待していたのと違って、ものすごくわかりにくい表現方法で、すごく長い映画だった。私には全然入りこめない世界だった。


ところが「八日目の蝉」は同じように子供時代の主人公と大人の主人公が入れ替わり出てくるのだけれど、すごくその流れ方、見せ方がうまかった。


引き込まれる感じがすごくした。
最近の日本の映画って上手いな。アメリカみたいにお金を莫大にかけなくても、よい映画が作れる。


永作博美って今まで、童顔の女優さんというイメージしかなかったけど、
この役がすごくよかった。童顔だからなおよかったかも。


『母性』というものについて深く考えさせられる作品だ。


私にはこの作品全体からマリポサリリーの花が思いうかんだ。
母性のアーキタイプ


井上真央ちゃん演じる子供のときに誘拐された主人公は子供のときに心に傷を負い、深い罪悪感を持っている。傷を負ったのは誘拐されたときではなく、本当の親のところに戻ったときだ。


彼女にとって深く愛された経験は封印せざるを得なかった幼少期に誘拐した女性と過ごしたとき。育まれた母性のあたたかさを閉じて、それを再び思い出す過程は誰でも泣けるかも。

マリポサリリーの「子供のときに傷ついた部分を癒す」というのは愛されていることを感じる瞬間につながるように思う。




この映画の中に小豆島が登場することすら、地元なのに知らなかった(=◇=;)

棚田の美しい風景と親子で灯す火。そうした光景は全体が母性的でもある。

場所をつうじて海と緑の自然の風景・土地から主人公が思い出していくというのもすごくいいんじゃないかな。



母性の力はすごい。
犯罪者であっても共感してしまうような力がある。


私は子供はいないけれど、先日も前に記事に書いたweb講座で聖母の話を聞いて、「聖母」のアーキタイプについていろいろ考えていたところ。

母性は普通母親から受け継がれるのだが、母親からもらえなかった場合、やはり母親以外の女性から受け取る機会が必ずあるのではないかなと思う。


それは誰でも目にはみえないけれど、子供であるときに守護する存在によってもたらされていくように思うけど。



映画では写真館から逮捕されるまでのシーンが一番すごかった。
子役の子も上手かったな。

タイトルはなんだかあまりピンとこなかったけど。


原作を読んだらピンとくるかな。
今度読んでみよっと。