田中邦衛さんが亡くなって、特別放送で「北の国から」のスペシャルをひとつ放送されたのをみて、最初のシリーズを見たくて全部見た。
このドラマは実は本も読んで、本は脚本形式になってるけど、児童文学として読めるような内容で昔感動したことがある。
かなり年数たって再度みて驚いたのは
登場する大人が全員タバコを吸っていることだ。
男性も女性も・・しかも子供の前で何度も・・。
昭和のドラマってこれが当たり前だったの・・・?
宮崎アニメの「風立ちぬ」で結核の奥さんの前でタバコを吸うシーンがちょっと非難されたりしたけど、昭和の日本ではふつうだったのかもしれない。
あともう一つ昭和感満載だったのが出てくる俳優が私が子供のころは当たり前にいた人だけどすでに亡くなっている人が多いことだ(^^;)
驚いた。昭和の名優勢ぞろい。
当時、本放送で見てなかったけど、確か夜の10時からの放送だった。
子供たちが主人公のようにしているけど、これは誰に向けたドラマだったのかなと思う。
子供が主役のドラマは日本では少ない。子役が主人公の子供時代を演じるとか大人が主人公で子供が脇役はよくあるが、子供が主人公のドラマは当時も、もしかしたら今も子供向けの番組にしかないような気がする。
だからかなり画期的なドラマだったなあと思う。
そして純くんと蛍ちゃんはその辺の普通の子供のようなのもすごい。
どうしても劇団の子役みたいな感じが出そうだけど、そのへんの子供感なのだ。
だから親戚の子のような感覚でみてしまう。
純くんのどういうところがすごいかというと、笑って嫌なことを言ってしまい、大人に嫌味を言われたりするところ。あのヘラヘラ感が子供らしいのだ。
でも内面では自分のことをそうして嫌な人間だと思っている。
そのあたりの描写がすごいと思う。
あと学校のシーンもすごく好きで、涼子先生が蛍ちゃんのキタキツネが罠にかかっていなくなってしまった話についてみんなで話し合うシーンとかそれなりの尺を使っている。
子供たちだけで考えさせようとする先生の姿勢と意見を聞いて、先生がひかかっている言葉についてまた疑問を提示するところ。
このドラマは基本大人がみているが、大人社会の中で子供たちはどんな風に考え、どんな思いでいるのかとか大人の立場ではどうかとかそんなことを考えさせられるようになっているのかもしれない。
小さな子供だった純くんが成長し、大人になっていく姿は見ている方はいろいろな思いを委ねるが、子役はかなり難しいと思う。
子役はその子自体が成長期というのと、演じる役も成長していくというのが含まれている。それでも二人ともそれぞれ俳優としてそのまま成長していったのはもしかしたらこのドラマの中でちゃんと彼らを守ってくれる大人たちがいたからかもしれない。
同じ子役の正吉くん役の子が最初出てきたところを見たら、大人になった彼とまったく顔が同じだったのに笑った。あまり変わってない(笑)
子供のときから完成されてたんだな。
放送当時は「大草原の小さな家」の日本バージョンみたいな感じかなくらいだったけど
あのドラマで北海道や富良野にあこがれた人も多かった。
北海道のイメージがものすごく高まった。
そんな意味では日本人にとっての大草原の小さな家に近いかもしれない。
北海道の自然の厳しさや農業で生きていく大変さというのも何度も出てきた。
こういうドラマはなかなか作られないよね。
実は貴重なドラマだったんだなと思った。